30代の転職において年齢は採用に影響するのか?
転職をする上で気になるものの一つに「年齢」があります。30代で転職を考えた場合、以下のような不安が湧いてくる人もいるのではないでしょうか?
- 自分はもう30代後半だけど転職できるのか?
- 適齢年齢を過ぎているのではないか?
- 自分が経験したことがない仕事なんて今更応募もできないんじゃないか?
年齢によって転職にリミットがあるかというと、結論としては「まったく関係ないわけではない」という曖昧な答えになります。
それはなぜなのか? ここでは、年齢と転職成功率の関わりについて説明します。
転職に成功した人たちの平均年齢は何歳?
30代後半という年齢は転職において不利なのか?
求人票には書かれないが「年齢制限の求人」はある
転職を40代まで引っ張るのは得策ではない
転職成功年齢は上昇傾向にある
30代になると転職の成功率は下がるのではないかと考える人もいるでしょう。しかし、現状は30代での転職の成功率は上がっています。
わたしが31歳の時の転職活動でお世話になった「doda(インテリジェンス)」の調査結果によると、2017年での転職成功者の平均年齢は32.1歳となっています。
リーマンショック直後の2007・2008年は、転職市場自体が冷え込んでいた時期であっかため採用年齢も低いのですが、2011年以降は採用平均年齢は30代を超えてきています。
転職サービス(転職サイト、転職エージェント)自体も、30代以上をターゲットとしたサービス(ビズリーチ、リクルートダイレクトスカウトなど)も増えているので、以前に比べて成功率は上がってきているのです。
業種や採用待遇によって転職成功率は変わる
単純に転職成功者の平均年齢を見てみると「32.1歳」でした。ただ、これは「業種」「職種」で大きく変わってきます。ここでも参考にdoda社の転職者調査結果を見てみましょう。
技術系分野は30代がしっかり
dodaは技術系の業種の転職サポートに強いので、技術系の業界はとくに細分化されています。『転職成功者の年齢調査』の結果を見てみると、業界によって顕著な採用年齢の差が見られます。
「建築系」「医療」「電気」などは、採用年齢が上がってきていることが見て取れます。これは、専門的なスキルに加えて「経験による勘」や「リスクの先見性」などが必要なためです。
技術系職種の転職の場合は、知識やセンス以外にも「経験」が非常に重要されます。製造業であれば、生産現場や実験での失敗経験はもちろん、製品などを世に出す上で経験したクレーム対応なども、転職先の企業での技術開発に役立つからです。
製品やサービスを開発して上市をする上で、リスクを事前に検討する「リスクマネジメント」は非常に重要です。この「経験」の部分は、30代にとって大きな武器なのです。
文系職種は比較的採用年齢が低い
逆に販売業や事務系、営業職などは30代前半から20代後半が多くなっています。これは、現場レベルでの管理者層が比較的若いということも理由として挙げられます。
現場に出るような業務も多く、専門的知識をまだ有していない未経験・異業種からの転職も多い職種なので、採用年齢も下がってくるというわけです。
もっとも重要なのは「年齢制限がある」求人があること
年齢が上がっていくことによる転職リスクは、やはり「求人に年齢制限がある」ことです。
どんなに行きたい企業や職種があっても、求人がなければ転職しようがありません。とくに前述のような「事務系」「営業系」など未経験者の応募も多い職種は、採用年齢もグッと下がってきます。
採用において年齢制限を設けることは『雇用対策法』によって禁止されています。限定的に年齢・性別の制限を設けられる職種もありますが、かなり限定されています。
ただ、求人票には明記されないまでも、採用する企業側には採用基準として年齢を設けていることも否定できません。あなたがどうしても受けたい求人であるならば、必ず受ける資格があるか確認しましょう。
自分から確認するよりは、転職エージェントを利用して確認してもらった方が確実です。自分が見つけた求人は、既に採用者が決まっていて無効になっている可能性もありますので。
40代になる前に!30代までで転職しておく方が得策
それでは、40代に年齢が上がると転職は難しくなるのでしょうか? 厚生労働省で取りまとめている『雇用動向調査』のデータは以下のようになっています。
結果から見ると、入職率自体は29歳までをピークに徐々に減少しています。40代を超えての転職の場合は、30代後半に比べて転職成功率が落ちています。
40代になると、企業側が求めている適性年齢の求人から外れる確率は上がってしまいます。また、求められる能力も「管理職クラス」などのマネジメント経験者の採用が増えてくる傾向にあるのです。
入社してからも大変!「適応力」の問題
40代を超えると転職成功率が下がるという数値的な問題もありますが、何よりも「新天地に慣れるのに苦労する」という問題があります。
40代ともなると、業界・業種に夜とはいえ、新しい職場ではそれなりに年齢も高くなります。また仕事に対するスタンスもほぼ確立されているので、新しい環境に適応することにかなり労力を必要とします。
新しい環境で馴染むには下手に出ることも重要です。年齢が上がってからの転職は、職場でのストレスと向き合うことも必要になるのです。
まとめ:転職に明確な年齢制限はないけれど
『雇用対策法』上では、求人に年齢・性別といった制限を設けることは禁止されているため、明確な転職年齢のリミットはわかりません。
ただ採用側にも欲しい人材があり、やはり採用においては裁量判断される場合がほとんどです。
また、社会人となって仕事を続けていると、基本的に年齢とともに求められる仕事内容のレベルはどんどん上がっていきます。
それと同時に、転職において企業側が求める人材への「経験」「能力」「管理能力」などの要求レベルも若手に比べて高くなっていきます。
転職においては、「年齢」が問題というよりも「伝える力」が重要です。
- 「経験」を相手に伝える力
- 「これからのキャリア」を伝える力
これらをうまく磨いて転職を成功させるために、わたしは転職エージェントの利用をおすすめしています。
転職エージェントと転職サイトを混同して考える求職者は実に多くいます。2つのサービスは求人元企業との関係性が根本的に違います。あなたの転職をサポートしてくれる転職エージェントについてちょっと詳しく解説します。